
#182 のほほん休日
幸せな人が、必ずしも多くのものを持っているとは限らない。
休日の午後、コンビニで買ったコーヒー片手に公園のベンチに座るだけで、妙に満ち足りた気分になることがある。
木陰のベンチに座ると少しひんやりしていてラッキーな気分。
学生時代、夏休みなると実家のリビングで昼寝しているとよく冷たい箇所を求めてゴロゴロしていたことをなんとなく思い出していた。
何かを「手に入れた」わけでもないのに、なぜか心が豊かになること。
「今あるものを豊かに感じられる心」を持つことこそが、ほんとうの意味で幸せに生きているのだと思う。
高価なものを手に入れたり、特別な場所に出かけたりすることは、たしかに一時的な喜びを与えてくれる。けれど、その喜びは時間が経てば色あせてしまう。結局は「次の何か」を求め続けることになり、いつまでも満たされない。
一方で、日常の中の小さな出来事に心をとめられると、何度でも幸せを見つけることができる。気持ちの良い気候、湯気の立つコーヒーの香りを味わうこと、誰かとの会話にふと笑うこと。そうした瞬間を「豊かだ」と感じられる感性こそ、何よりも失いたくないものだ。
幸せは、遠い未来やどこか特別な場所に隠されているものではない。
探しに行かなくても、今この瞬間の「当たり前」の中に、すでに宿っている。
それに気づけるかどうかが、人生の豊かさを決めるのだと思う。