#05 内側の鏡
「内省することを知っている人は美しい。鏡を内側に所有してるからだ」
僕が愛読しているとある作家さんの言葉だ。
僕もこうでありたいと常々思ってはいるが、なかなか難しいことである。
怒りをただ撒き散らすだけでなく、いつも内側に鏡を持ち、それに自信を映し出す。どんなに憤慨することが起こったとしても客観的に自分の反省点を出せるのは大人だと思うと同時に、素敵な人だと僕は思う。
僕の内側の鏡には、やはり後ろ向きで愚かしくて、人に見せれない、自分でも見たくもないものが沢山映る
「またか」と、立ち止まってしまうこともしばしばある。
そして、この鏡に映った嫌な自分によく似た他人に出会うことがある。いわゆる「嫌いな人」
もしかしたら「嫌いな人」とは、自分の内側の鏡に映ったことのある負の感情のドッペルゲンガーなのかもしれない。同族嫌悪や自己嫌悪。僕は大抵見たことがあった。
たまたまか、潜在的に選んでしまっていたのかはわからないが、僕の交友関係には「内省する力」を持った人が多い気がする。
もちろん全てが双方に問題がある訳ではないが、人を、自分を思い合って、考え続けていることはとても優しくて強いことだと思う。
そういう人に憧れて、そして好きになっているのだろう。